コラム

価格高騰が続く中古マンション市況の現状を解説します!

コロナ禍において、首都圏の中古マンション価格の高騰・在庫物件数の減少が顕著な傾向となっています。

お客さまから「購入できる価格帯の物件が無い!」といった声をよく耳にしますが、中古マンション購入の選択肢が狭まっているため、検討期間が長期化し、場合によっては断念されてしまうケースや当初希望されていたエリアから離れた場所でお探しするケースもあります。

そこで今回は、首都圏の中古マンション市況についてデータをご紹介しつつ、価格高騰が続くコロナ禍の中古マンション購入について考えてみたいと思います。

■在庫物件数/平米単価の直近10年間の推移

まず初めに、首都圏中古マンション市場における在庫件数の推移と平米単価について見ていきたいと思います。

以下のグラフは、それぞれ2010年以降の「首都圏中古マンション在庫件数(グラフ左)」と「首都圏中古マンション在庫㎡単価(グラフ右)」の推移をまとめたものです。

引用:(公財)東日本不動産流通機構

中古マンションの在庫件数を見ると、ここ5年間の在庫物件数が減少傾向にあることが分かります。

特にコロナ禍においては減少幅が大きくなっていますが、2021年4月以降は底を打ち、若干ではありますが増加傾向にあります。

中古マンションの在庫物件の平米単価は、ここ5年間で緩やかに上昇していましたが、こちらもコロナ禍をきっかけに急激な上昇に転じました。

■在庫物件の築古化

次に、直近3年間の在庫物件数とその平均築年数の推移を見てみましょう。

以下の表は、首都圏の中古マンション市場の在庫物件数と在庫物件の平均築年数を表にまとめたものです。

首都圏中古マンションの在庫物件数とその平均築年数(2021年は10月までの実績)引用:(公財)東日本不動産流通機構のデータを元に筆者作成

在庫物件が減少していることは前述の通りですが、具体的に各年の数字を見ると、2021年は特に減少幅が大きいことが分かります。前年比で23%の減少となりました。

その一方で、築年数は毎年ほぼ同じペースで築古化が進んでおり、中古マンションの購入を検討されている皆さんにとっては年々選択肢が狭まっている状況にあると言えるでしょう。

ちなみに、選択肢が狭まっているのは中古マンションだけでなく新築マンションも同様です。

建築コストの高騰や土地の仕入れが年々難しくなっていることもあり、新築マンション価格が高騰していることはすでにご存知の通りです。

これは新築マンションだけの問題ではなく、新築と中古を並行検討している方も一定数いるため、マンションの需給がアンバランスになると中古マンション市場の価格や物件数にも影響を及ぼします。

■築古物件の人気の高まり

では最後に、成約数と築年数の関係について見てみましょう。

以下の表は、首都圏中古マンションの2021年第三四半期(7月〜9月)の成約数を物件の築年数別に見たものです。

首都圏中古マンションの築年帯別成約数(2021年7月〜9月)引用:(公財)東日本不動産流通機構「REINS TOPIC:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況」

ほとんどの築年帯で前年同期比マイナスとなっていますが、築30年以上だけ前年比プラスとなっています。

在庫物件数の減少・築古化が進み、価格の高騰が追い打ちをかける中で、多くの中古マンション検討者が築年数の幅を広げて物件を検討したことが増えた結果と言えるでしょう。

■まとめ

ここまで、首都圏中古マンション市場を取り巻く環境について見てきました。

首都圏の中古マンションの価格高騰・在庫減少の実態がお分かりいただけたかと思います。

その一方で、都心に所在する物件は価格や築年数に限らずすぐに買い手がつきますし、場合によっては市場に情報が出ないことも少なくありません。

希望する物件に出会うためには、アンテナを張り巡らせ情報収集をこまめに行っておくことが重要です。ご自身での情報収集に加えて、不動産会社の情報力も活用して、納得の住まい探しを行うようにしましょう。

当社は、大手町・丸の内エリアにも至近な東京都江東区深川エリアを主要な商圏に、地域に密着した地元密着の『深川くらし相談所』として事業を展開しています。

まずは、住まいに関するお客様の不安や悩み、住まい探しを通じて実現したい夢や理想などをお聞かせ下さい。その上で、当社目線ではなく、お客目線で最適なご提案をさせていただきます。

セミナー・相談会は随時開催していますので、お気軽にご参加ください!

【著者プロフィール】柴田 光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表

宅地建物取引士、2級FP技能士
不動産業界歴35年。大手不動産会社在籍中に役員として主に売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。
https://note.com/k_shibata

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