シアトル不動産視察日記③

米国の不動産情報システム「MLS」で学ぶ

この日は朝早くにホテルのロビーに集合し、Uber(ウーバー)で全米の不動産情報ネットワークであるMLS(Multing Listing Servise)へ。

国土の大きいアメリカにはおよそ800ものMLSが存在し、今回伺ったNothwestMLSは全米で最大規模。

その本社で学びの機会をもてたのは嬉しい限りです。

日本でもMLSに近いものとしてREINZ(レインズ)というシステムがありますが、今はまだ我々不動産業者しか見れません。

一時の日経新聞で一般にも公開されるとすっぱ抜かれた時期もありましたが、未だに閉鎖的な状況は変わらず、一般消費者には解放されていないのが実情です。

日本がアメリカに比べて、システム的にもだいぶ遅れているとは感じてましたが、今回の学びで自分の想像以上に遅れている状況を目の当たりにした感じです。

ITの進むアメリカではシステムの進化も目覚ましく、どれも目を見張るものばかり。

そもそもアメリカのエージェントの地位は高く、弁護士と医者と不動産エージェントに友人がいればいいライフスタイルが過ごせると言われるくらい、優秀な不動産エージェントは職業として社会的地位が高く、信頼されています。

MLSを利用するエージェントは利用料を支払い、登録してIDを受け取り利用することができる。

MLSでは、不動産業務支援ツールの提供やサポート業務、業界クオリティ向上を目的とするトレーニングといった活動も行っていてエージェントのバックアップも行っています。また、厳格なルールも定められており、違反した場合は罰金が科されたり、最悪の場合除名されたりする。 除名されれば対象地域の不動産情報にアクセスできなくなり、事実上で不動産業務の実行が不可能になってしまう。

それだけ不動産エージェントにとってはMLSは必要不可欠なものでもある。

日本では会社のブランドで仕事させてもらっている営業マンが多いが、アメリカのエージェントはブローカー(日本で言う不動産会社)と契約し、個人としてフルコミュッションで仕事しているエージェントが一般的。

エージェントの資格はいつでも受けれて合格率も70%とのことですので、そんなに難しいものではないようですが、個人がブランドとなりフルコミッションで行う商売としては、プロとしても誇りと責任を持ち合わせていなければ、訴訟社会の米国では通用しないでしょう。

日本の宅建士の資格は年に1回の試験で合格率も15~17%くらいなので簡単ではないですが、この資格が無いとできないのは重要事項説明位なものなので、実際には資格が無くても問題なく出来る仕事です。

しかもアメリカでは買主も売主も不動産売買をする際はエージェント個人を成績や経歴などで判断し選ぶことになる。さらには、エージェントを選ぶ際には、日本のような大手志向と違い所属している会社はあまり関係ないので、個人個人のプロとしての力量が問われる仕事といえるでしょう。

※写真はMLSの事務所内とグッズ売り場

 

日本の現状

少し脱線したのでMLSのシステムの話に戻りますが、日本のREINZと比べると情報の鮮度、情報量、信憑性ともに優れていて、エンドユーザーに提供されている情報量には驚きを隠せない。日本でも情報は昔のように不動産屋に行かなくても取れる時代だが、広告料のかかるポータルサイト(SUUMOやアットホームなど)だけの情報がすべてではないのが現実。

ましてや成約事例などの情報もすべてのデーターが揃っているわけではないため、売却査定額は不動産会社にとってもマチマチである。

MLSの情報はすべての取引が網羅されているので、この情報がすべてと言い切れるために信憑性が高く説得力も高い。

とにかく何もかもが新鮮で学ぶべきことが多いが、この地に何年も前から足を運んで学んだ日本のお役人や不動産団体幹部、そして大手不動産会社の方たちは何を学習して来たのだろうか。

牛歩のようにしか進歩していかない日本の不動産の実情には恥ずかしささえ感じます。。

余談ですが、この研修に来てすぐに日本のスタッフから連絡が入りこんなことがありました。

実は旅経つ前日に、弊社スタッフがお客様をご案内し購入申し込みをいただきました。

売主側の仲介は誰もが知る大手仲介会社の担当者。

弊社のお客様は買主側です。

もともと今回の物件が気になっていた弊社のお客様は、前の週に同じマンションのほかの部屋と同時に今回のお部屋も内見したかったのですが、この大手業者から居住中との理由でのらりくらり2週間以上案内を拒まれていました。

もちろん本当に売主さんの都合だった可能性もありますが。。

このマンションは目の前にホテルが建つ計画があるため、買主様に事前に知らせ、計画図や日照図も手配。

今回のお部屋ならあまり影響ないことがわかり、ローンの事前もこの物件で承認を取ったうえで当日のご案内に臨みました。

その日は土曜日で売主側の大手仲介会社の担当者いわく他にもご案内が入っているとのこと。

ご案内時間を一番早く設定し、売主様に好印象を与えるべく、買主様のご夫婦とお子様とも事前に内見のシュミレーションも行いました(笑)

物件も気に入っていただき、満額で購入申し込みを書いていただき売主側の仲介会社に提出。

このご夫婦のお人柄や属性(ご夫婦ともに大手企業勤務)は申し分なく、今回売主様希望の引渡し日(半年以上先)の条件も飲み込んでいたので、断られる要素は一つも見当たりません。

実際には他からもお申し込みが入ったとのことで日曜日の夜に売主に選んでもうらうとの担当者からの回答でした。(疑わしい。。)

結果的には月曜日にこちらから連絡し、売主様が他のお客様を選びましたとの回答でした。

憶測で話しするのはダメなのは承知のうえですが、おそらく両手契約したい大手仲介会社の担当者が上手くコントロールしたのでしょう。

一時に比べればよくなっていますが、これが日本の現状です。

案の定、1週間後に契約する予定だった買主が両親を翌週見せたいので契約が延期したとのこと。

でも売主様から他に申し込みを入れてくれた方に連絡しくれと事で仕方なく弊社に連絡したようでした。

その時点では弊社の買主様は仕切り直してほかの物件をご案内し、新たな物件も検討しているので、今度はこちらが選ぶ番になりそうです。

きっとこんな担当者についた売主様は不幸せですよね。売主様はきっと真実を知らされていないのだと思いますが。

大手とはいえ(大手だから?。。)お客様の気持ちより、自分の業績優先で仕事している実情にいつもうんざりします。もちろん大手でも素晴らしい方もいれば、中小でろくでもない営業マンもいるので一概には言えませんが。。

ただし、未だに新築大好き。ブランド大好き。の日本の現状を皆さんはどう思いますか?

今回の研修を機に、参加した一般社団法人 不動産エージェント協会の仲間と共に、少しでも誇れる業界に変えていきたいと改めて決意したのでした。

続く